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2025年7月14日/284号 株主総会、株式分布と北海道
2025年6月に開催された3月期決算企業の株主総会を振り返ります。株主提案を受けた企業数が過去最高だったとか、金融庁の要請による総会前の有報開示等、ありましたがあえて最集中日(6月27日(金))の集中率が過去最低を記録したことを取り上げます。1983年に集計を開始して以来、最も低い水準で25%ほどだったとのこと。最も高かったのは、1995年の96%ですから、劇的に低下していると言えます。前日の26日(木)開催が24%、前々日の25日(水)が18%ゆえ、3日間で7割弱の企業が開催していることになりますが、よくここまで分散したものだと思います。
個人的には今年の総会は、企業(特に大手企業)が個人株主に対して議決権行使を促進しようとあの手この手を打ち出してきたのが特徴だったのでは。私の手元にも招集通知に同封されていたチラシが何枚かあります。例えば…
・ネットで行使をしていただくと全員にキャッシュレスポイント500円分をプレゼント
・ネットで行使すると抽選で1万名にキャッシュレス残高1,000円相当が当たる
・株主パスポートへ登録、議決権行使で1,000ポイントプレゼント 等々
更には招集通知が送られてきた後、あらためてハガキが別送されてきて、議決権行使した株主には500円相当の電子ギフトかクオカードを贈呈します、なんて念押しする企業もありました。いずれもお金で行使権を買う(=賛成行使を促進する)かのような施策ですね。で、行使したの?と問われればしていないのだけれど(汗)。個人株主の議決権行使率は一般的に3~4割と言われていますが、この手の施策でどれくらい上がるものか知りたいところではあります。皆さんの会社の行使率は、どうでしたか。当方来年は、行使しますッ。
さて、もう1つこの時期の定番ネタと言えば、2024年度(2025年3月末)株式分布状況の調査結果です。7月4日に公表されているので、既に確認されている方も多いと思います。IR活動の対象となる外国人、信託銀行、個人の3部門揃い踏みで株式保有比率が前年より増加したのは久しぶりのことです。これらを中心に見ていきます。
外国人
2024年度は、2年ぶりの売り越しとなったものの、保有比率は32.4%(前年比+0.6%)と過去最高を記録。33業種では、13業種で前年比保有比率は上昇しています。最も保有比率が増加したのが銀行業の+3.3%。逆に最も保有比率が減少したのは、海運業の▲3.1%でした。
信託銀行
保有比率は前年比+0.3%の22.4%。2020年度の22.5%から5年間連続して22%台で推移しています。もう一皮むけるには何が必要なのかしら…売買動向は、3年連続の売り越し。前年比で保有比率が最も増加したのは繊維製品の+1.5%、最も減少したのは非鉄金属の▲3.6%でした。
個人
個人は、保有比率が17.3%と2年ぶりに17%台を回復しました。個人は、保有比率より株主数(のべ数)が11年連続で増加して8,359万人に達したことの方がニュースかもしれません。新規上場企業は言うまでもなく、株式分割実施会社の増加もその要因のひとつです。日経新聞によれば保振(ほふり)データを元に、年代別では若年層の増加が顕著としています。新NISA開始前の23年12月から25年5月にかけて年代別でもっとも増加率が大きかったのは20歳代の27%増で、次いで20歳未満の19%増。70歳代は1%増、80歳代は5%増にとどまっているとのこと。個人においては、投資家層の世代交代がまさに進行していると言えるでしょう。
事業法人
事業法人は、前年度比▲0.6%の18.7%となり、調査開始以来、過去最低を記録しました。政策保有株式の縮減は粛々と続いているようです。なお、18.7%中、4.4%は自己株式の保有比率であること申し添えておきます。
最後に、北海道からの涼を皆さんにお届けして本メルマガを締めます。2023年の釧路旅行から2年ぶりに北海道を訪れました。気温は日中でも25~27℃とすこぶる過ごしやすい。東京へ帰るのか思うと憂鬱になりました(笑)。
羊ケ丘展望台
見所はクラーク博士像、羊の放牧、ラベンダー畑。ラベンダーが1人50本まで摘み放題であることに妻大喜び。もちろん当方も駆り出されました(笑)。
登別温泉/地獄谷
むき出しの岩肌から上がる温泉の湯けむりが、風景をその名の通り地獄っぽくしています。私にとっては硫黄独特の匂いの方が地獄っぽいなぁと感じた次第。
地球岬
元はアイヌ語でチケプ(断崖)岬と呼ばれていたのが「ちきう」、更には「地球」と呼ばれるように。眼前を遮るものがなく、地球って丸いんだと実感。
洞爺湖
面積では、国内で3番目に大きいカルデラ湖。2008年には洞爺湖サミットが開催。写真は湖の真ん中に浮かぶ「中島」。
昭和新山
1944年に始まった噴火活動で高さ400メートルまで隆起。話には聞いていたけれど、平らな土地がここまで盛り上げるなんて。また、市井の郵便局長が残した克明な観測記録には頭が下がります。
支笏湖
最大水深360m(平均水深265m)で、秋田県田沢湖に次いで日本で2番目に深い湖。写真の赤い鉄橋は、北海道最古。
それでは、また次回!