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2023年10月

  • 250号/無印良品からのメール(30日)
  • 249号/金魚にはなりたくない!(16日)

202310月30日/250号  無印良品からのメール

9月8日、一通のメールが届きました。タイトルに【重要なお知らせ】無印良品ネットストアとあります。フィッシングメールに違いない思い、普通ならスルーしてそのまま削除するのですが、なぜだかこれは開けたほうがよいと感じたのです。開けてみると商品回収(リコール)のお知らせでした。が、油断を解くにはまだ早い、商品回収を装った新手の詐欺かもしれないと思いながら文面を読み始めました。次のように始まります。

 

「板倉 正幸 様

平素は、無印良品をご愛顧賜り誠にありがとうございます。弊社が2023511日より販売しておりました「お手入れがしやすい首振りサーキュレータ―6畳」において、使用時に発火する恐れがあることが判明したため、当該商品を回収することといたしました。」

 

おいおい、マジか!?と思い読み進めます。

 

「お手元に対象商品をお持ちの場合は、直ちに電源プラグを抜いて使用を中止くださいますようお願いいたします。お客様には多大なご心配とご迷惑をおかけしますこと心からお詫び申し上げます。お手元に当該商品がございましたら、誠にお手数ですが、最寄りの無印良品店舗までお持ちいただくか、下記フリーダイヤルまでご連絡くださいますようお願いいたします。代金を返金させていただきます。」

 

よっしゃッ、フリーダイヤルへ電話しよ、と早速0120から始まる番号へダイヤルしたのですが一向につながりません…あれッ?と思いつつ更に読み進めるとメールの最後にありました。

 

「なお、202398日に同商品に関するニュースリリースを発行しております。あわせてご確認をお願いいたします」

 

同社ウェブサイトには確かにリリースが掲載されていました。ここにおいて、ホントだったんだと信じるに至り、稼働中のサーキュレーターの電源をあわてて抜いたのでした(笑)。自分が購入した商品でこんな連絡を受けるのは初めてのことです。ついてないと思いつつ、そろそろフリーダイヤルつながるやろッとトライするもつながらず…つのるのはイライラ感ばかりです。

 

気を静めようと他に書かれている内容を確認すると、①ネットストア購入者は、返品期限がお届日から30日以内、②発火原因は、サーキュレーター内の配線コードが首振り時に引っ張られ、断線することでショート、発火にいたる、③サイズやタイプ違いの類似商品、過年度販売のサーキュレーターは構造が異なるため発火の危険はない、等々。

 

ネットストア購入者に対して返品期限が30日とはどういうことか?6月中旬に買っているから期限はとうに過ぎている。メール受取日(98日)から30日にしても急すぎるのではないか。そもそも無印良品が引き起こした問題なのに、あまりに身勝手な申し出ではないか。文句のひとつも言ってやろうと再びフリーダイヤルへコール。が、こちらの思いを見透かしたかのようにどうしてもつながりません。ここは自身のクールダウンもかねてかけ直そう、と思っていたらすっかり忘却のかなたへ。

 

1週間ほどたった915日、無印良品からのメールを見つけて思い出しました(汗)。

 

「板倉 正幸 様

平素は、無印良品をご愛顧賜り誠にありがとうございます。先日、「お手入れがしやすい首振りサーキュレーター6畳」回収のお知らせについてご連絡をいたしましたが、現在、専用フリーダイヤルが繋がりづらい状態が続いております。お客様にはご迷惑をおかけしており誠に申し訳ございません。

 

この度専用フリーダイヤルが繋がりづらい状態を鑑み、ネットストアにてお求めの場合におきましてはマイページの「注文履歴」よりお手続きいただける返品期限を、お届け日から30日間のところ180日間に延長いたしました。当該商品を着払いにて送付いただける場合は、以下の手順より返品のお手続きが可能です。」

 

待てば海路の日和あり、ですね。最初からこれくらいゆとりある対応して欲しかった。これで当面安心(?)して使えるわい。実際、今年の残暑は厳かったので10月半ばを過ぎても使い続けました。幸い火を噴くこともありませんでした(笑)。そして10日ほど前でしょうか、もう使うことはないだろうと決断して、着払い宅急便で指定された住所へ返送を済ませました。数日後、返金の手続きが終わったとの連絡が入ってきました。

 

ネットニュースによれば回収台数は、43千台。1台約5千円だから額にして2億円強になります。同社の年間売り上げは6千億円近くあるので今回の商品回収分を挽回するのが狙いではないと思いますが、従来春先だけに開催していた割引セールのアナウンスがありました。私は割引(全品10%引き)もあるし、返金される5千円もあるからと気がつけば、収納製品から便利グッズなど1万円以上を購入していました。恐るべし無印良品の商売上手(笑)。それでは、また次回!

20231016日/249号  金魚にはなりたくない!

今回は、10月初旬の話になります。少し前のことになってしまい恐縮です。が、興味深く面白い話でしたのでできるだけ多くの方と共有したいと思っています。既に新聞やネット等でご存知の方は、おさらいのつもりで流し読みください。

 

面白い話とは、104日(水)にソフトバンクワールド2023における孫さんの「AGIを中心とした新たな世界へ」と題した特別講演です。4年ぶりのリアル開催ということで、私は会場(プリンスパークタワー東京)で聴講しました。同ホテルでは大和証券やみずほ証券主催のカンファレンスでよくお世話になった、ある意味勝手を知った場所で、懐かしさを覚えながら訪問しました。それにしても来場者の数が予想していた以上にすごかった。孫さんの話ならば、ぜひ生でと考える私のような輩が多いのでしょう。

 

孫さんの言いたいことは極めてシンプルです。あくまで自分の見立て、こんなこと言うのは自分だけだろうという前提で「今から10年以内にAGI(Artificial General Intelligence/汎用人工知能)は、全人類の叡智の総和の10倍を達成する。そして、20年以内には、ASIArtificial Super Intelligence)によって10,000倍に達するだろう」ということです。110というのは、サル対人のニューロン(脳を構成する神経細胞)の相対数に相当し、110,000というのは金魚対人のそれに相当するとのこと。つまり、今から10年するかしないうちにAGIから見れば全人類の知恵はせいぜいサルレベル、20年すればいよいよ金魚レベルになってしまうだろうということです。

 

AGIという言葉が出てきた際、孫さんは聴講者に「この言葉を知ってる人?」と尋ねましたが、手を挙げる人はほとんどいませんでした。次に「では、仕事でChatGPTを使っている人?」と尋ねてきます。ここで手を挙げた人が来場者の1割にも満たなかったことに孫さんは「手を挙げなかった人は、人生を悔い改めてください(笑)」と諭されました。

 

私自身も両方とも手を挙げることはできませんでした。恥ずかしながら、AGIが何であるのか、ChatGPTとの違いも知りませんでした。悔い改めよ、と言われたので早速ググってざっくりと理解しました。AGI=汎用型人工知能は、データや経験から自ら学習し、新たな情報・知識を踏まえ状況に応じて判断することができる、人のような知能を持つ人工知能です。現状では、まだ影も形もありません。ChatGPTに代表される生成AIにおいても、人がプログラミングしているのだから人を超えることはできないと考えるのでなく、AIが自ら学習し推論が可能と考えるべきのようです。

 

孫さんは、ChatGPTの利用率が米国企業では51%に達しているのに、日本企業では7%に留まっており、使用を禁止もしくは禁止を検討しているところが72%もあることを嘆かれたうえで、自らの活用法や自社への導入例などを紹介されました。ご自身は、検索のような使い方でなく、ディベートや壁打ちの相手として使っているとのこと。会社では、活用アイデアのコンテストを賞金付き(最高1,000万円)で開催し、提案件数は累計約10万件に達したそう。ここから抜け目なく事業化を目論んで特許登録をしており、申請は既に1万件、うち1,000件は自案の申請になるだろうと豪語されました。

 

そして「好む好まざるにかかわらず、AI革命はやってくるのだから活用するか、取り残されるか。AGIを敵ではなく、最強のパートナー、味方、道具として最大限に活用するべき。小さな議論をしている場合ではない。全体を見て、今すぐ行動するべき。取り残される金魚になってはいけない。目覚めよ!」と檄を飛ばされました。

 

昨年の88日付けメルマガ224号(夏休み読書お薦め本10冊)で紹介した「AI vs 教科書が読めない子どもたち/新井紀子著」に書かれていたのは「AIはコンピューターであり、できることは論理・統計・確率の3つだけ。<私はあなたが好き>と<私はカレーが好き>の意味の違いを数式で表すことができないので理解できない。よってシンギュラリティも来ない」という趣旨であったと記憶しています。孫さんは、それとは真逆のお話をされているようで、どちらが正しいとかいう意味でなく、とても新鮮に耳に入ってきました。というか、むしろ孫さんのプレゼン力もあって、そうかぁ~と納得した感が強いです(笑)。

 

プレゼンの最後に半分笑いながら「これ以上言うと、宗教になるので」と言っていましたが、まさに孫さんを教祖として、私を含む聴衆は危うく信者になってしまうところでした(笑)。日本では数少なくなったカリスマ性を持った経営者として面目躍如といったところです。それでは、また次回!

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