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2024年10月

  • 272号/プレゼン資料と田中一村(21日)

20241021日/272号  プレゼン資料と田中一村

日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOの山道(やまじ)さんの講演を聴講しました。お題は「日本企業の変革を通じた市場の発展/JPXにおける取組」です。分かりやすいプレゼンの中にも力強さを感じました。野村証券在職中の米国や英国での現地法人トップを務められた際のご経験がそれを可能にしたのでは、と推測します。海外マネーの呼び込みのため日本市場と日本株の魅力をさらに訴えていくそうです。

 

東証が2022年に市場再編を主導したことは記憶に新しいですが、山道さんはまだまだ2合目あたりとの見方をされています。2024年に入ってからは「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示を促していますね。毎月、開示企業名を日経紙上で更新していますが、手元にある最新版(109日付け)は次のように伝えています。開示企業は、検討中を含め、プライム企業では87%(開示済み79%+検討中8%)、スタンダード企業では45%に達しているとのこと。

 

これに関して印象に残った山道さんの発言は『資本コストや株価を意識した経営の好い事例を今年(2024年)2月、ウェブ上で公表した。来月(11月)には、好い事例はもちろんだが悪い事例も合わせて公表予定にしている』と明言されたことです。悪い事例については、会社を貶めることが狙いではないので社名は伏せるとも言われました。がぜん東証が来月公表する事例集が気になって仕方なくなりました(笑)。皆さんもそうではありませんか。

 

既に内容を確認されている方もおられると思いますが、20242月に公表された事例集を参考にあげておきます。29社が実名であげられています。プライム26社、スタンダード3社です。各社資料のよい点が具体的に説明されています。この中にはディア・マスターズのクライアントが2社含まれています。社名をお伝えできず残念です。

 

事例集はこちらから

20240201_2.pdf

 

 

私は前職におけるIR担当時、決算発表や会社説明会でのプレゼン資料を自分の作品発表のつもりでいつも作成していました。もちろん依頼主である経営トップの意向を無視することはできませんが、その範囲内で少しでも投資家から評価を得られるよう心掛けたものです。ここから少し話は飛躍しますが、もしも画家であればその気持ちは、作品制作にかける時間が何か月、時には何年にも及ぶわけなので、プレゼン資料の比にはならぬほど強いに違いなと思うのです。

 

画家、田中一村はそういう意味で生きている間、まったくと言っていいくらい正当に評価されませんでした。その一村の大回顧展が東京都美術館(上野)で開催されています。私が一村を知ったのは、テレ東の「開運!何でも鑑定団」がきっかけです。番組自体が好きでよく見るのですが、奄美大島のホテル経営者が一村の絵を持っているので価値を知りたいと出演された回をたまたま見たのです。鑑定結果は、真作であり数千万円(いくらだったか正確には覚えていません)の値がつきました。価格は衝撃的に高かったわけですが、それよりも一村の生い立ちから鑑定品制作のくだりを聞いて驚きました。50歳過ぎて今までの生活に見切りをつけ、誰一人知り合いのいない奄美大島にふらり渡ってからの作品だということでした。

 

東京都美術館の一村展では、そんな晩年に奄美大島で描かれた代表作(「アダンの海辺」や「不喰芋と蘇鉄」など)は言うまでもなく、神童と呼ばれた幼少期の作品までさかのぼり、約300点を見ることができます。

 

展示会章立てと作品紹介はこちらから

章立て・作品紹介|【公式】田中一村展 奄美の光 魂の絵画 Tanaka Isson: Light and Soul2024919日(木)〜121日(日)|東京都美術館

 

平日に美術館へ行けばのんびり見られるだろうとの期待は、簡単に裏切られました。たいそうな人出で、中でも代表作・人気作・初展示作には黒山の人だかり状態。せっかちな私は順番に並んで待つことができないので、人だかりの隙間から覗いたり、すきを見てそっと横から入ったりして見て回りました(笑)。今回の作品展示が1階から3階のスペースを十分に使っているからできたのだと思います。

 

一村が奄美大島への移住を決めたのは、四国・九州へのスケッチ旅行がきっかけと言われています。本人はゴッホやゴーギャンを意識していたようですが、個人的にはアンリ・ルソーの描いたジャングル画に近しいものを感じてしまいます。いずれにしても一村本人の夢であった東京での展示会開催が、死後ではありますが実現したわけです。展示会は121日までの開催です。ぜひ一村の生絵をご鑑賞くださいませ。それでは、また次回!

 

 

 

 

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