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2023年8月

  • 246号/日本金融経済研究所セミナーより(28日)
  • 245号/夏休みお薦め本5冊(8日)

2023828日/246号  日本金融経済研究所セミナーより

先週金曜日(25日)に聴講したセミナーのお話です。日本金融経済研究所(代表:馬渕磨理子)が主催された「国際金融都市東京 企業価値向上サミット」セミナーです。日本企業の価値向上をIR視点で語るということ、また小池東京都知事がビデオメッセージでなく、生登壇されるということでどんなお話をされるのか興味を持って参加しました。ハイブリッド型セミナーで、私はオンラインで参加(800名近くいたとのこと)しました。セミナーは、3時間30分の長丁場(休憩30分含む)。4部構成だったのですが、順番に振り返ってみたいと思います。

 

1部/企業価値向上に関する問題意識の共有

馬渕代表から3点の問題提起がありました。①上場企業3,000社の時価総額は1,000億円以下の規模であり、このステージにある企業を支援する政策が少ない、②日本でもインフレ(利上げ)の時代に入り、いよいよ名目GDP>実質GDPになる、③家計の金融資産(2,000兆円中、特に半分を占める現金)がキャピタルフライトで国内企業への投資へ向かわないリスクがある。③について日本企業の価値を高めるためにIRを日本の成長戦略に位置づけ、IR人材育成のカリキュラム・国家資格化をというスケール感あるお話をされたのが印象的でした。

 

2部/トップ自らIRに注力する理由

経営トップのお二人がスピーカーとして登壇されました。

・西江 肇司 氏(ベクトル、プライム、6058、代表取締役会長兼社長)

・福留 大士 氏(チェンジホールディングス、プライム、3962、代表取締役兼執行役員社長)

 

事前に質問を共有されていたようですが、記憶に残ったやり取りがいくつかあります。やはり自ら最前線でIR対応されているお二人だけに、説得力が半端なく強かったです。私自身がクライアントの皆さんへ伝えている内容に重なる部分も多く、我が意を得たり、とうなずくところもありました。

 

 *個人投資家へのIR活動へ力を入れる理由

旧マザーズ市場では、買い手の89割が個人だったので腹をくくって対応した。説明会では、質疑応答に4時間、質問数150問へ対応したこともある。同様な質問へもあえて一つ一つ回答した。

*機関投資家を意識しウエイトを置くようになったのは

時価総額にして200300億円くらいから。200億円をこえるくらいからコンタクトが始まった(コンタクトがあって、すぐに買ってもらえたわけではない)。

 *国内外機関投資家とのコミュニケーションで意識していること

つきあいが長い人とは4-5年会い続けている。その時々に言っていたことが形になって

いるかどうか。相手と中長期の信頼をいかに築けるかに腐心している。

 *IR専任担当にはどんなタイプをアサイン?

営業といっしょなので、機関投資家から好かれる人。好奇心旺盛で、数字に強い人。IRは 会社の動きが全てわかってないといけない。また、自社の株式をぜひ買ってもらいたいという強い思いを持った人 等々。

 

3部/小池東京都知事による挨拶

「世界をリードする「国際金融都市・東京」の実現に向けて/都市の魅力発信に向けたIR」と題して20分間お話されました。あらためて発信力、というか記憶に残るフレーズ作りが上手いなぁと感じました。例えば「国際金融都市・東京」構想2.0の施策展開について「GDPなんです」と説明されました。GreenDigitalPlayerの頭文字をとったものですが、グリーンファイナンス、金融のデジタライゼーション、金融関連プレーヤーの集積を意味します。あと、Sushi Tech Tokyoなんてイベントも最後に紹介されてました。こちらは、Sustainable High City Tech Tokyoの略です(お寿司には何ら関係はないのですが、こう言われると記憶に残りませんか)。詳しくは以下より。

https://www.sushi-tech-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/2024/

 

4部/経営戦略としてのIR

お二人のスピーカーが登壇されました。

・千葉 知裕 氏(Macbee Planet、グロース、7095、代表取締役社長)

・鹿島 幸裕 氏(note、グロース、5243、取締役CFO

 

2部の2社は、ベクトル社が2012年、チェンジ社は2016年に上場されているので、既に一定の年数を経ています。いまや両社ともプライム銘柄です。一方、こちら2社はマクビー社が2020年、note社が2022年にグロース市場へ上場したばかりの若い会社です。お二人のお話の節々からIRへど真剣に取り組まれている様がうかがえました。

 

登壇された4社は創業100周年とか、財閥の冠名がついているとかのいわゆるエスタブリッシュされた会社とは一線を画します。まさにベンチャーとして起業され、上場された企業ばかりです。経営者がIRにどっぷりとつかって最前線で活動されている間に、IR実務を任せられる現場チームをいかに組成するかが次なるポイントになるのではと感じた次第です。少なくとも登壇された4社は着々と手を打たれているようですが、IR現場の実務関してのお悩みごとがあればいつでもディア・マスターズへお任せください。それでは、また次回!

20238月8日/245号  夏休みお薦め本(5冊)

今週11日(金)から夏季休暇に入る企業が多いようです。その前日(10日)が決算発表のピーク日で800社超が予定しています。ちなみに8月4日までに第1四半期決算の発表を終えた東証プライム3月期決算企業(621社)の決算内容は、純利益総額が9.4兆円の2割増(純利益率は8.2%、前年同期4.8%)で、好調の背景には値上げ浸透、コロナからの経済再開、円安効果等があると6日付日経新聞にはありました。これから発表を迎える皆さんは準備のラストスパートに入ると思いますが、どうかお身体ご自愛ください。

 

今回は、久しぶりにお薦め本を紹介します。読書量が以前より激減している自分自身への反省と叱咤を兼ねております。読書量が減った背景を考えてみると、視力の衰えによる読む行為そのものからの逃避(大げさですが)、代替としてオーディオブック(私の場合はアマゾンのオーディブル)を採り入れるも、酷暑による出控えで「ながら時間」が見つけにくくなった、読書欲そのものの減退(これが一番の問題かも)などでしょうか。そんな中、5冊を紹介します。

 

(1)Die with Zero/人生が豊かになりすぎる究極のルール、ビル・パーキンス

ベストセラーなので既に読まれた方も多いことかと思います。お金の貯め方を説いた指南書は多いですが、本書はお金の使い方(というか、使い切り方)を説いています。使い方に困るほどのお金が手元にあるわけではないけれど(笑)、人生の終盤戦に片足を突っ込んでいることは確かなのでタイトルにも惹かれて読みました。Z世代やミレニアル世代の皆さんには、まだピンとこないかもしれないですが、使い方を心得たうえで貯めることは後々、役立つかと思います。著者は、ビル・パーキンスという米国生まれのトレーダーであり、ヘッジファンドマネージャーとして財を成した方なので、普通の日本人とは蓄財の規模は比較になりませんが、その考え方はなるほどなぁと頷くところが多々ありました。

 

・私たちは喜びを先送りしすぎている

・人生の最後に残るのは思い出

・経験は私たちに尽きることのない「(記憶の)配当」を与えてくれる

・もうじき失われてしまう何かについて考えると、人の幸福度は高まることがある

・老後資金を必要以上に増やそうと働き続けると、何か(金)は得られても、それ以上に貴重 

 なもの(時間と健康)を逃してしまうことになる

・年を取ると、失うものは増える。成功して得られるものも少なくなる  等々

 

著者は「タイムバケット(時間のバケツ)」というツールを紹介しています。これはジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが主演した映画「The Bucket List」(邦題/最高の人生の見つけ方)でご存知の方もおられると思います。現在を起点にして、予想される人生最後の日をゴール地点にします。そしてその間を3年、5年、10年等の間隔で区切ります。区切った期間を一つのバケツとして、死ぬまでにやりたいことをどんどん書き込んでいくのです。期間(すなわち、時間)を設定することでやりたいことを行うにもふさわしい時期があることや、同じ期間での両立が難しい(=優先順位付けが必要)等に気づくと言います。最後に、本書でちょっと残念に感じたところを。本の帯には「ゼロで死ね」とありますが、命令されて死ぬのはちょっと…それよりは自らの判断で「ゼロで死ぬ」、そうありたいと思いました。

 

(2)1Q84/村上春樹

こちらも今さら説明の必要のないベストセラーですね。登場人物のキャラがとてもユニークで、気がつけば引き込まれています。村上作品の最高傑作と言う人が多いのもわかります。  BOOK123がそれぞれ前編・後編に分かれる大長編なので、迷うことなくオーディブルで聴きました。夏休みは、これ一本に絞るのもよいかも(笑)。

 

(3)推し、燃ゆ/宇佐見りん

164回芥川賞受賞作。こちらもオーディブルでサクッと聴きました。<推し>と<一介のファン>との違いが何となく分かりました。<推し>つながりで、最近「【推しの子】」を観だしました。期待以上に面白そう(笑)。

 

(4)Unlearn、柳川範之・為末大

Unlearn(既に持つ知識や価値観などを取捨選択すること)阻む7つの壁。皆さんも自身を振り返ってください。きっと当てはまることがあるのでは。①このままでいいんじゃないか、②今あるものを手放したくない、③せっかくここまで頑張ってきたのだから、④自分のやり方でやりたい・他人にはわからない、⑤あの人の言うことなら間違いない、⑥だって、これが好きなんだもん(=本当に好き?慣れているから心地いいのでは)、⑦誰の中にも潜む様々なバイアス

 

(5)お金の減らし方、森博嗣

森博嗣は推理作家ですが、本書ではお金に関するご自身の考えをざっくばらんに書いています。『モノを買う時に重要なのは「どれくらい必要か」ということではなく「どれくらい欲しいか」ということ』には我が意を得たり。それでは、よい夏休みを。また次回!!

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