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2023年5月

  • 241号/出た、JPXプライム150!(29日)
  • 240号/鬼舞辻無惨と香港(15日)

2023529日/241号  出た、JPXプライム150

メルマガ240号(鬼舞辻無惨と香港/5月15日付け)へメッセージをいただきました。ありがとうございます。

 

『おはようございます。○○です。いつも楽しい配信、ありがとうございます。香港がそんなに変わってしまったとは知りませんでした。寂しいですね。京都もGWは凄い人で、多くの外国人が訪れていました。多いのは欧米系と韓国。中国人はまだ少なかったように感じました。中国人は香港を訪れているんですかね。(後略)』

 

『板倉さん、こんばんは。香港にいかれた感想は勉強になりました。良き時代の香港はなくなってしまったようで、残念です。どんな事があっても、『基本的人権』の自由は守っていかねばいけません。』

 

日経平均株価が5月23日に3万1千円を超える高値をつけました。33年ぶりだそうです。同期間中、ダウ工業株30種平均は12倍になっているし、上がったとはいえ日経平均自体も1989年12月末につけた38,915円と比べればまだまだ8割程度の水準です。下がるよりは、上がった方がうれしいのでいいけれど(笑)。それにしても33年と言えば、新卒入社した新入社員がほぼ定年に近い年端を迎えるということ。33年前、つまり1990年あなたはどこで何をしていましたか?まだ、生まれていない方もおられることでしょう。私は前職の会社(日東電工)へ転職したのが1989年、28才の時、そこからちょうど1年がたち海外営業の仕事や会社そのものに慣れた頃だったと思います。

 

さて、持続して欲しい株高ですが、その背景にはどんなことがあったのでしょうか。ここ2週間ほどの日経を読んでいると株式市場関係者や識者のコメントが多く掲載されています。ざっくりまとめると次のような見立てではないでしょうか。

 

(1)低PBRの改善(資本効率の改善)への期待

東証が自らPBR1倍割れのプライムやスタンダード上場企業へ改善を要請したことはアクティビストだけでなく、一般の投資家にとってもポジティブサプライズ。結果として企業の株主還元の強化や政策保有株式の売却加速、更には中長期での構造改革等につながっていく。

(2)脱デフレへの期待

賃上げは30年ぶりの高水準(3.7%)な結果となった。また、様々なモノ・サービスの価格が継続的に値上がりしており、今までは何もなかったことからすれば信じられないことだが、確実に変わってきている。

(3)海外機関投資家の買い進み

海外機関投資家は、5月第3週まで8週連続の買い越しです。これは約6年ぶりのこと。最初は日経225銘柄のような大型株から始まり、そして外需株へつながり、今後はどこまで物色が拡がるか。米バフェットさんが5大商社株式を大量保有レベル超えの7.4%まで買い増したことも日本株へ自信を与えているかもしれません。

 

(1)は新市場区分への対応が落ち着いて一息つけるかと思いきや、東証からよもやよもやの連続攻撃ですね。PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産 ですから、(1株当たり純資産がそのままであるなら)株価を上げて対応するしかありません。プライム企業でも1倍割れの銘柄は全体の約半分もあります。これまで株価は市場が決めるもの高をくくってきた経営者は、それでは済まされなくなりました。

(2)に関連して印象的なのは、大卒新入社員の初任給です。私が最初の会社(京セラ)へ入社した時(1985年)の初任給は確か14万円でした。当時は、毎年5千円前後のペースで上がり続けていたと記憶しています。10年後の新入社員の初任給は20万円にもなるんだ、と何だか不思議な気がしたものです。ほどなくバブルが崩壊して、以降20年以上大卒新入社員の初任給は20万円前後で推移していました。それが、例えば採用競争の激しいIT業界の大手では、新卒初任給30万円をうたうところも出てきました。

(3)は買い手の話ですが、これは初めてのことではなく過去からの積み重ねがあります。日経NEEDSデータ(1,300社対象)では外国人株主の保有比率が10%を超える企業は1990年時点では80社(6%)にすぎなかったのが、2022年時点では660社となり過半に達しています(日経5月20日より)。今回、外国人によって買い進まれたのは上述(1)(2)への期待感と日本株を海外株式市場と比較した時の割安感が効いているのではないでしょうか。

 

最後に、先週金曜日(26日)に東証が発表したJPXプライム150を取り上げます。これはプライム市場に上場している時価総額上位500社を対象に「資本収益性」と「市場評価」の二つの観点から選定した150社のインデックスです。資本収益性はROEと株主資本コストの差であるエクイティ・スプレッドを、市場評価はPBRを指標としてそれぞれ採用しています。ちなみにトヨタ、パナソニック、メガバンクは銘柄に採用されていません。東証には、低PBRの改善要請だけで終わることなく、関連したインデックスまで同じタイミングで開発するという並々ならぬやる気を感じますね。本年7月3日からのスタートが楽しみになりました。詳細は以下からご確認ください。

概要:

https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0060/20230526-01.html

構成銘柄:

https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/0060/cg27su0000007ruk-att/20230526-02.pdf

 

それでは、また次回!!

2023515日/240号  鬼舞辻無惨と香港

GWが明けて一週間。先週金曜日は決算発表の最集中日で約1,000社が発表したとのこと。この後、取材対応が始まり(3月期決算企業であれば)6月には株主総会ですね。IRの最繁忙期ですが、体調に気をつけて乗り切ってください。

 

GWはどう過ごされましたか。私はGWをステイホームで過ごし、GW明けの週に海外旅行へ行ってきました。最初にステイホーム中、思わずハッとした言葉をあげさせてもらいます。ひとつは、テレビで放映中の「鬼滅の刃/刀鍛冶の里編」から鬼の首領である鬼舞辻無惨(きぶつじ むざん)の言葉です。

 

『私が嫌いなものは変化だ。状況の変化、肉体の変化、感情の変化。あらゆる変化はほとんどの場合、劣化となる。衰えなのだ。私が好きなものは不変。完璧な状態で永遠に変わらないこと』

 

さすが、千年を生きる鬼のドンの言葉です。私は前職の会社では「変化はチャンス」と教わり、その通りだと考えてきました。でも、こんな見方もあるんですね。「鬼滅の刃」の面白さは、鬼退治という話の分かり易さと映像の斬新さに加えて、無惨の言葉のように登場人物たちの発する言葉にあると思うのです。例えば、無限列車編での煉獄(れんごく)さんの言葉「老いることも死ぬことも人間というはかない生き物の美しさだ」にもグッときたものです。

 

もうひとつは、二子玉川へ出かけた際、Yogiboストアに来ていた30代前半とおぼしき女性が連れの女性へ向かって放った一言です。

 

『最近、自分の変化を知ってくれる人が欲しいなと思う』

 

これを聞いた連れの女性は「それって、結婚したいってこと?この間まで言ってたことと違うじゃん!」と猛抗議。隣のYogioに寝そべっていた私は、思わず顔を上げて二人の顔を見てしまった。ごく普通の方でした(笑)。マズローの欲求五段階説によれば、人は誰かに承認してもらいたいと思うもの。Yogioに身を預けてリラックスしていたから、その本音がポロリと出たに違いありません。この女性の身近にそんな人が現れるといいですね。

 

さて、香港旅行ですが、海外旅行は4年ぶり(コロナ前の最後の海外は、201910月にスペイン(マドリード)へ行って以来なので正確には38か月ぶり)です。どうして香港を選んだかですが、いくつか理由があります。まず30年前の3月に日本で結婚し、4月から新婚生活を開始した地であるため、アフター(ウィズ)コロナスタートの地として選びました。また、4年弱を同地で過ごし、帰任後も公私含めしばしば(今回は10年ぶりですが)出かけており土地勘を持っていること。20205月に中国の香港国家安全法が制定され、自治がほぼ失われてどんなになっているのかを実際に見たかったこと。そして、ちょっとした所用が現地であったためです。

 

変わっていたことと変わっていなかったことを書いてみます。変わっていたのは次のようなことでした。

 

・香港の一番の魅力である活気が街から失せていた

・中国人が我が物顔で振るまっていた

 

この2つに集約できてしまうと思います。到着した空港内の雰囲気が既に重くどんよりしています。電灯を消しているエリアも一部ありました。ホテルへ移動するタクシー運転手のオジサンも元気がありません。街中を歩いても欧米や日本からとおぼしき観光客とすれ違うことはなく、目につくのは我が物顔で闊歩する中国人ばかりです。ある程度予想はしていたものの、大好きな香港のあまりの変わりように心が痛みました…

 

変わっていなかったのはちょっとしたことばかりです。

・食事の美味しさ(B級グルメでもレベルが高い)

・旺盛な土地開発

・夜景の美しさ

 

食事は円安のせいもあって格別の割安感があるとは言えませんが、それでもつい顔がほころんでしまうB級グルメは健在だったのは何よりでした。ガチョウのローストで有名な鏞記酒家(ユンキー)創業者のお孫さんが7年前にオープンしたカジュアルレストランのガチョウローストは変わらぬ老舗の味でした。土地開発は相変わらずやってました。大陸側と香港島の間のビクトリア湾は埋め立てられて陸でつながってしまうかもしれません。また、高層マンション群の大規模な開発(特に空港近く)は、人口流出の続く香港でどうして、と思わざるをえません。中国人を見込んでいるのでしょう。最後は、やはり夜景です。鬼舞辻無惨ではないけれど、この美しさは不変であって欲しい。今回、宿泊したホテルからの昼景と夜景で締めたいと思います。目にすることが多いのは、大陸側(尖沙咀)から香港島を撮影したり、あるいはその逆だと思いますが、写真は香港島から香港島内の昼夜景を撮ったものです。

それでは、また次回!!

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