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2018年2月

  • 35号 フィギュアスケートと自動運転(19日)
  • 34号 ゴルゴ13から学ぶIR(13日)
  • 33号 同じ取材と言うけれど…(5日)

2018年2月19日/35号 フィギュアスケーと自動運転

 ピョンチャン・オリンピックの男子フィギュアスケートは最高でした。ショート、フリーともテレビ前で応援しました。ソチの真央ちゃんといい、今回の羽生くんといい泣かせてくれます。最近、色んなところが緩くなってきてますが、涙腺もそのひとつ。織田くんみたいに号泣するには至りませんでしたが、泣けますね。

 

泣いて涙を出す動物はヒトだけ、というのを聞いたことがあります。それにしてもなぜ、ヒトは感動して感極まると涙が出てくるんだろう…「共感」していることは間違いないと思います。涙が出るのは「共感」以上の何かが心を揺さぶるからに違いありません。その何かはまだ解明されていないようですが、ご存知の方教えてください。

 

さて、20人からのスケーターの演技を見ていると、上手い下手がそれなりに分かってきます。素人が偉そうにと怒られそうですが、読売新聞に載っていた羽生・宇野選手を含めた上位選手の得点比較を見るとにわか審査員でも案外、的を得ていることがわかります。

(読売新聞記事:http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2018/feature/20180216-OYT8T50039.html

*フリーの演技構成点は2倍されますが、この比較表では2倍前の点数のまま

 

得点は技術点と演技構成点からなります。技術点はジャンプ、ステップ、スピンの難易度におうじた基礎点とその出来栄え点が合算されています。基本的には見たままの印象が、得点の高低につながっているのでわかりやすいです。6種類のジャンプ(アクセル、ルッツ、フリップ、ループ、サルコウ、トウループ)の見分けがすぐつけば、観戦のしかたがもっと通に近づくのでしょう。

 

演技構成点の結果を見て、自分の見る眼は案外正しいと感じました。例えば、項目中の「要素のつなぎ」「演技表現実行力」「振り付け」得点を羽生選手と他選手で比較するとショート・フリーにかかわらず、(羽生選手は)ほぼトップです。羽生選手の演技を見ている時に感じていたゴツゴツ感のない滑らかさだったり、流れるような一連の動作だったり、決めのポーズのカッコよさは、他選手より明らかに良かったと感じてました。にわか審査員でもプロ審査員のような評価をしていたということです。

 

一定の規則・基準のもとで、成果や結果に対する評価を行うことができると思います。フィギュアスケートのようにスポーツであれば、採点評価に対する基準が分かりやすく、納得性も高いと思います。が、最近聴講したセミナーで規則・基準作りそのものが悩ましくて、いったい誰がどうやって意思決定したらいいの?という話がありました。何だと思いますか?

 

はい、自動運転車を使った人工知能の倫理的な意思決定についてです。スピーカーは、マサチューセッツ工科大学教授・MITメディアラボ所長の伊藤穣一先生。日本のIT企業黎明期を支え、インターネット普及に貢献された方です(といってもまだ51歳)。MITメディアラボは、企業だとお金はかかるし、そもそもモノになるかどうかわからないようなテーマを好んで取り上げているとのこと。米大学を2度も中退、それも自主退学しているのに、MITメディアラボ所長に日本人として初めて就任するという天才肌の方。ベンチャーキャピタリストとしても高名です。ロボットや人工知能でできるようなことを勉強していませんか?と問われ、EducationよりLearning(が重要)と言われたことが印象に残りました。また、Learningにおける4つのPということでProjectPeersPassionPlayの必要性を説かれました。

 

自動運転車になることで社会全体では、事故数は減少して多くの人命が救われるでしょう。が、自動運転車に乗っている乗客の命を優先するべきなのか、それとも乗客を犠牲にして歩行者の命を優先するべきなのかという難しい状況は必ず出てきます。MITメディアラボの作った「モラルマシン」というサイトでは、自動運転車が避けられない2つの事故のうち、どちらか一つを選ばねばなりません。回答者は乗客ではなく、事故を観察する第3者として、どちらが容認できるのか判断します。

 

では、さっそくこちらでお試しください。http://moralmachine.mit.edu/hl/ja

 

どうでしたか?私は、最も助かった対象が子供、最も犠牲になった対象が犬。人命の数を平均以上に重視しており、交通規則を遵守する傾向が平均を大きく超えていることなどがわかりました。こんな形で結果をデータとして集積していくのでしょうが、たくさん集めたからといって正解となる意思決定が手に入るわけではありません。もちろんMITメディアラボも目的は、一人でも多くの人にこのような重大、かつ極めて困難な意思決定について理解を深めてもらうことにあると明言しています。自動運転車の人工知能による意思決定のプロセスが今後どんな風に行われていくのか関心を持っていきたいと思います。

 

IR活動での正しい意志決定には、ディア・マスターズを活用ください。それでは、また来週。

2018年2月13日/34号 ゴルゴ13から学ぶIR

 日が長くなり、日差しも随分と春っぽくなってきました。それにしても先週の株式市場は激しかったですね。5日(月)の始まりには2万3千円の日経平均が、9日(金)には一時、2千円も下げました。どうしても株価という価格変化に惑わされがちになります。が、こんな時こそIRの目的、すなわち(企業)価値を上げることに対してぶれない活動を継続してください。

 

パスポートの有効期間が来月切れるのでそれに合わせ更新しました。海外へ出向く機会は、会社員時代に比べて激減しているものの、やはり必須。今回の更新で20283月まで有効になりました。有楽町交通会館にある旅券課へ申請書と写真を持参して1週間後に完成。新パスポートを受け取り、部屋を出ようとした瞬間、ゴルゴ13の顔が目に入ったのです。

 

ゴルゴ13について多分、知らない人はいないと思うのですが、念のため言っておくと…さいとう・たかをによるゴルゴ13ことデューク東郷を主人公にした漫画です。戦争・テロや国家・企業間の暗闘などにスナイパーとして関わるのですが「これって実話?」と思われるほどストーリーが練られていることが特徴です(だから、理解しながら読み進めないと(ストーリーに)ついていけなくなることがある)。小学館ビッグコミックに1968年から連載されているので今年で50年目を迎えます。昭和風床屋・喫茶店へ行くと高い確率で置いてある漫画です。

 

そんなゴルゴ13がなぜこんな所にと思い、ポスターを見ると「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」のキャラクターとして採用されていました。そのサイト( www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html)をのぞいてみると、海外出航時の安全対策について中堅・中小企業に限らず、皆の参考になるものと思いますので一読をお薦めします。全部で13話ありますが、どの話も20ページ前後で、その半分は漫画なのですぐに読むことができます。

 

久しぶりに読んでみて、外務省とコラボすることになってもキャラは昔のまま変わっていなことを確認出来て嬉しくなりました。第2話の「たびレジ」(=登録しておけば、いざという時の緊急情報や最新海外安全情報をメールで受け取れる外務省のサービス)についての話では、カラチ(パキスタン)に到着して翌日からの現地調査に備えてパーッとやろうとしている男性3人組の前にいきなりぬっと現れ「たびレジの登録は済んでいるのか…俺の質問だけに答えろ!」と初っ端からデューク東郷らしさ全開です(笑)。

 

お茶目な面も失くしていません。第6話「安全対策はホテルの中でも」では、メキシコが舞台。ホテル自室で強盗に会った一人旅の女性を助けた際に「ホテルはお前の家ではない」「部屋にいる時は防犯チェーンを掛け、相手を確認してからドアを開ける。そんな事は常識だ。それがわからない愚か者に海外に来る資格はない!」「海外では、常に危険と隣り合わせという自覚がなければならない。ほんの少しの油断が命取りになる」とたたみかけます。女性からお礼を言われた直後に「では、タコスでも食べに行くか」と誘い、「見知らぬ人のお誘いはお断りします!」とキッパリ断られます。その時、下唇を噛んで右頬から汗をたらすデューク東郷の表情は最高です(笑)。

 

IRでもいくつかの示唆を与えてくれます。

 

5話の「情報収集」。安全対策にとって何が最も重要なのか?と問われたゴルゴ13は「10%の才能と20%の努力、そして30%の臆病さ、残る40%は情報だろうな」と答え、情報収集後に「あとは情報の意味を自分の頭で考えることだ」と続けます。情報の意味を自分の頭で考えること、すなわち自分の頭で判断することを経験したことがあります。2009年、新型インフルエンザが世界で流行した時のことです。南米から始まり米国へ、そして英国へ拡大。それが、運悪くちょうど欧州トップIRの時期に重なってしまいました。日本のメディアは毎日、ネガティブな報道の連続です。一方、目的地ロンドンの状況を現地在住の方々に確認すると皆「何の話?」と一笑に付されました。さて、どうする?結論は、例年通り出張しました。ヒースロー空港に到着してみると拍子抜けするくらいいつもと変わりなく(非効率的で)、さらに「(日系企業の海外IR)キャンセルや延期が多い中、よく来てくれた!」とどの投資家からも大歓迎されたことを今でもはっきりと覚えています。

 

9話の「トップの意識」では危機管理・安全対策を軽視するトップに対して、屋外から狙撃。トップ机上に置かれた天秤置物の支柱に命中させます。これにビビった社長が態度を一変します。IRを軽視するトップに対して、うち(の社長)も狙撃して欲しいと願う担当者もおられるのでは(笑)。

 

ディア・マスターズでは狙撃することはできませんが、第3者のフェアな立場から気づきを与えることはできます。いつでも申しつけください。それでは、また来週。

2018年2月5日/33号 同じ取材と言うけれど

先週2日(金)の米ダウ平均が前日比で665ドル下落して2万5520ドルで引けました。下げ幅では2008年12月1日以来、9年2カ月ぶりの大きさだそうです。去年の今頃は、史上初の2万ドルを突破して盛り上がっていました。その後一本調子で3割も上がった訳ですから、こういうこともあるよねと片付けることができるのか、それとも適温相場の終わりの始まりなのか。米国株式に連動性の高い日本株が今日(5日)どんな動きを見せるのか注目しましょう。

 

21日(木)付け日経夕刊のくらしナビページのセカンドステージ欄でディア・マスターズ起業の記事が掲載されました(本文最後に記事添付)。日経新聞の影響はさすがに大きくて、メルマガ読者の方はもちろん、かつて海外営業担当時にお世話になった上司からメッセージをいただくなどしました。感激し励みになると同時に、あらためて身の引き締まる思いです。この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうございます。

 

『○○です。お久しぶりです。昨日は寒く、雪で外に出づらく、家にこもっていつもは余り見ない夕刊を隅から隅まで読んでいたら記事が目につきました。何と貴兄の名前が出ているではないか、懐かしくなり✕✕さんにメールを送りアドレスを知った次第です。貴兄がIR部門にいたことは知っていましたが、退社後独立しIRコンサルタントで活躍されている情報に接し嬉しい限りです。(後略)』

 

記事掲載の前には日経記者の方の取材を受けました。IR担当の10年間で約5,000件の取材をセル・バイサイドと行いましたが、今回の取材には経験が活かせる共通点とそうではない大きな違いが一つありました。まず、共通点。それは、広告記事ではなく編集記事であること。広告記事であれば内容は言うまでもなく、レイアウトなどまでほぼ間違いなくコントロールできると思います。広告記事で想定していなかった内容やネガティブな内容が掲載されたなんて聞いたことがありません。が、編集記事ではそうはいきません。例えば、セルサイドのアナリストレポート。投資判断が仮に「バイ(買い)」だとしても、リスクや懸念が一切無い内容なんてありえないだろうし、場合によっては意に反するような内容を書かれることもありますよね。そういう時に限って上から「どうして(そんなことを書かれたのか)?」という突っ込みが入るもの。だから事前準備を周到に行ったうえで、取材当日も分かりやすく丁寧な対応を心掛けました。

 

一方、相違点は一発勝負であること。通常のIR取材の場合、基本的には継続的な取材を前提に対応していきます(残念ながら、1回きりで終わってしまうこともあるけれど)。言い換えれば、1回目が不満足でも、2回目・3回目と回数を重ねていく中でカバーしていく機会がありえます。でも、今回は違った。日経本社での601本勝負でした。勝負と言うと大げさですね。署名記事を書いてくださった川鍋記者は私と同年齢の方です。それゆえ、記事のテーマであるセカンドステージに関心も高く、とりわけ熱心に取材くださったと思います。

 

掲載された記事を読んで感じたこと。まず、社名のディア・マスターズという言葉が記事にはありません。これには日経紙上での宣伝効果を正直、期待していただけにちょっとがっかりしちゃいました(笑)。見出しに「生涯現役、助走が肝心」とあることからも、恐らく起業に至る経緯や起業の想いへ焦点を当てようとの意思が働いたためと推測しています。

 

もうひとつは反省です。取材前の情報収集をもっとしておけばよかったということ。それは、依頼を受けて写真提供したのですが、結局掲載に至らなかった点に表れました。私が提供したのはデスクで働く普通のスーツ姿。一方、掲載されたのはレストランユニフォームを着て、カウンター内に立つ姿です。私が記者・編集者でも迷わずにそちらを選択します。パッと見どちらがインパクトを与えるかは言うまでもありません。もし記事掲載に何名を考えていて、どんな人たちが候補なのかということを事前にわかっていれば、サクラを使ってでもクライアントと面談している風の一枚を提供したでしょう(笑)。

 

編集記事であり一発勝負の取材であることを理解したうえで準備をしたつもりでしたが、やはり完璧ということはないですね。決算発表後の取材対応を開始している皆さん、私の経験を参考にどうか気をつけて対応してください。ひょっとしたら何回もお会いしているセル・バイサイドへの対応が、慣れからくる準備不足で取材品質が低くて、先方の満足度は十分ではないかもしれませんよ。それでは、また来週。

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