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「本年もどうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶したのは3週間前。2023年12分の1がもう過ぎようとしています。夕方5時過ぎても空には明るさが残っているような…
先週末、知り合い(元クライアント)の方が所属する合唱団(Collegium Vocale Purafonte)の演奏会へ行ってきました。同団は、2022年1月に設立されたばかりで、その記念すべき第1回公演(於:江東区ティアラこうとう大ホール)です。演目は、バッハの「ロ短調ミサ曲」でした。もともと、バッハのロ短調ミサを歌いたい有志から始まったそうですから、この選曲は当然でしょう。団設立から1年という限られた時間内に、しかもコロナ禍でオーケストラ(プロムジカ使節団)や他ソリストの方々といかように曲を仕上げていかれたのでしょうか。ミサ曲初心者の私ではありますが、終演後に思いっきり拍手をしてしまいました。
その拍手は、合唱団と同時に5名のソリストに向けたもので、中でも村松稔之さん(略歴を見れば、すでに頭がクラクラするほどの実績)というカウンターテナーで売り出し中の方へ向けたものです。通常、女性(アルト)が歌うパートを村松さんが歌唱されました。何の違和感もなく、かえって男声だからかメリハリがとっても効いていて、聞き心地のよい歌声でした。隣席のファンと思しきオバサン二人づれの一名が、連れの方へ盛んに自慢してました。知り合いなのかしら?(笑)歌声で目立ったのは間違いありませんが、それ以上に私の目を引いたのは、靴底です。
穴が開いていたわけではありません。真っ赤な靴底の革靴だったからです。真っ赤な靴底と言えば、高級靴の(クリスチャン)ルブタンですね。女性ハイヒールでは確固としたブランドになっています。この赤い靴底、欧米では商標登録されているのですが、日本では認められず他社との裁判に敗訴したという記事を読んだ記憶があります。村松さんの履いていた赤い靴底の靴、果たしてどっちか?ルブタンに違いないだろうと思うのですが、言いたいのはそこでなく(底でなく(笑))、演奏中のステージでは数歩程度しか歩かない中、ましてや靴底なんかと考えるのが普通でしょうが、あえて逆のことをされている点です。『美は細部に宿る』と言いますが、『記憶は細部に宿る』と言いたいです。カウンターテナー+ルブタン=村松稔之の図式で鮮明に記憶されました。
記憶に残ると言えば、皆さんの会社がこんな決算説明会資料を発表したらどうでしょうか?株式会社カヤック(グロース、証券コード3904、情報通信)の決算説明会資料です。同社は、1998年に設立され、2014年に上場。会社概要では事業内容を「日本的面白コンテンツ事業」とされています。株主のすそ野を広げるため、株に縁のなさそうな令和ギャルに声掛けをして2022年12月期1Q資料作成プロジェクトがスタートしたそうです。百聞は一見にしかず、下記をご覧ください。
https://www.kayac.com/assets/files/ir/20221q.pdf
鮮やかなピンク色のギャルの顔写真入り表紙からしてぶっ飛んでますね(笑)次頁のギャル語によるサマリーと原文を比較するとこうなります。
2022年12月期1Q連結業績(⇒カヤックしか勝たん)
・増収・増益で四半期ベースの過去最高業績を達成(売上高40.6億円、営業利益3.5億円)
⇒最大もうかった!(もうかったのは40.6億円、貯金できたの3.5億円)
・ハイパーカジュアルゲーム(以下ハイカジ)が引き続き大きな伸長となっています。
⇒ハイカジ伸びしろ継続う~~
主なトピック
・ハイカジでは四半期内で2本の新作タイトルのリソース、中でも「Draw Saber」はGoogle Play米国版の無料ゲームランキングで1位を獲得しました。
⇒ハイカジ新しいやつ、2つも出した、「Drau Saber」アメリカで1位、全米泣く
・株式会社ミラティブのパートナーとして、国内外で注目の集まるゲーミング配信市場に
参入します。
⇒株式会社ミラティブとマブダチになったよ~
・グループ会社のウェルプレイド・ライゼスト株式会社が国内eスポーツ業界初のIPO準備
中である旨を開示しました。
⇒うちらの家族のウェルプレイド・ライゼストが国内eスポーツ業界初のIPOテス勉中なう
ビフォー・アフターの比較はここまでとしますが、概して長たらしい言葉(オジサンにとっては当たり前なのですが)をスパッと短く言い切ってしまうところがスゴイ。短いからインパクトがあって歯切れがいいですね。でも、短いから伝わりきらない箇所があるのも事実。最後に、令和ギャルが作ったこの決算説明会資料ですが、結果としてお蔵入りとなり正式使用には至らなかったことお伝えしておきます。でも、カヤックのことはしっかり記憶に残りました!それでは、また次回!!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。2023年に入り、もう10日目を迎えました。まだ355日あるので大丈夫(かな?)。初詣で引いたおみくじは、前年の末吉から吉へ変化。おみくじランキングでは、2通りの考え方があるそうですね。(1)大吉⇒吉⇒中吉⇒小吉⇒末吉⇒凶、(2)大吉⇒中吉⇒小吉⇒吉⇒末吉⇒凶。吉はどっちを選んでも末吉よりは上にくるので、今年は去年以上のよい年になるに違いありません(笑)。
年明け最初のメルマガは、昨年もそうだったのですが新年度の予想です。日経紙上で既に目をとおされた方も多いと思いますが、ブラックストーン社のバイロン・ウィーンさんの「びっくり10大予想」とユーラシア・グループのイアン・ブレマーさんの「10大リスク」です。びっくり予想の定義は、平均的投資家が発生確率を3分の1程度とみるイベントで、ウィーンさんがその確率を5割以上と予想するものです。一方のブレマーさんは、政治・経済に影響を及ぼしそうな事象を予想しています。前年(2022年)に1位予想した「No Zero Covid(ゼロコロナ政策の失敗)」は、中国の現状を見るに当たったと言えるのではないでしょうか。
2023年びっくり10大予想
1 24年の米大統領選で有力な新顔が登場
2 FRBは「金融緩和への転換」を棚上げ
3 マイルドな景気後退へ
4 株式相場は年央に底打ち
5 現代貨幣理論(MMT)の信用失墜
6 ドル高は継続。長い目でみて日本や欧州の資産に好機も
7 中国は5.5%の成長目標へ前進。西側諸国と通商関係の改善をはかる
8 原油は一時1バレル50ドルに
9 ロシアのウクライナ侵攻、年後半に停戦交渉へ
10 マスク氏が買収したツイッター、年末までに業績回復
原文はこちら
個人的には、5位の「現代貨幣理論(MMT)の信用失墜」を懸念します。原文では「今回、借金でインフレになることが証明されたので、現代貨幣論は完全に信用されなくなる」とあります。これは、メルマガ207号(冬休みお薦め本、2021年12月20日付け)で紹介した「こうすれば絶対よくなる!日本経済」(田原総一郎・藤井聡也)と真逆の内容です。日本国債ホルダーとしては気になって仕方ないです(汗)。
また、トップ10から漏れた11位から13位も追加で記載されています。11位は、医学の進歩で多くの人が低温埋葬を決断するようになる。死因となった自分の病気の治療法が発見された時に解凍されることを期待するということ。映画で見てきたシーンがいよいよ実現か?12位は、石炭火力発電所から排出される二酸化炭素を削減する画期的な技術が開発されて、気候変動や地球温暖化の恐怖が薄れる。同時に新興国の再生可能エネルギーへの移行を急かす政治的圧力が低下するこに。13位は、インドが米中関係の不透明感から新天地を求めていた製造業の獲得に本腰を入れ始める。若い人口、比較的低い所得、成長する消費者市場に着目し、自動車、エネルギー、医薬品、ハイテク分野への投資を奨励する政策を優先させ、グローバルな多国籍企業を誘致するキャンペーンを始めます。アップルとサムスンが世界市場向けにそれぞれのフラッグシップスマホの生産に成功し、コンセプトを証明するという予想です。これら3つの方がトップ10よりもびっくり度が高く感じられたのは私だけ?
2023年10大リスク予想
1 ならず者国家ロシア
2 最大化する習権力
3 テクノロジーによる社会混乱
4 物価高騰の波
5 追い詰められるイラン
6 エネルギー危機
7 途上国への成長打撃
8 米国の分析
9 デジタルネーティブ世代の台頭
10 水不足
原文はこちら
https://www.eurasiagroup.net/issues/top-risks-2023
10大リスク予想では6位の「エネルギー危機」が原油価格について、びっくり予想8位「原油は一時1バレル50ドル」とは正反対のことを予想していて興味深いです。具体的には、年末までに1バレル100ドル越えを予想しています。背景には、中国の予想以上の景気回復(ゼロ・コロナ政策から脱却を急ぐため)と米国の需要破壊をもたらさない程度の景気後退が原油需要を拡大させるとの予想があります。また、他要因として制裁継続によるロシアの減産、OPECの生産余力の低さ等をあげています。さて、10大リスク予想かびっくり10大予想か、どちらに軍配があがるか見守りましょう。
最後になりますが、2023年の目標について。2022年しょっぱなのメルマガで掲げた目標、「新」をキーワードにした目標が公私においてようやく具現化しそうな段階へ来ています。2年越しになりますが、2023年中には何としても実現する所存です。皆さんへ報告できる日が一日も早くくるといいなぁ~それでは、また次回!!