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前号の280号を配信したのが4月14日でしたので1か月ほど間があいてしまいました。この間にも季節は確実に進み、昨日東京は曇りながら気温27℃・湿度75%、蒸しっとした夏日の一日でした。
3月期決算企業の通期決算発表は、先週ピークを迎えました。トランプ関税の影響で通期業績予想の発表を見送る企業がコロナ禍の時ほどではないにせよ相当数出るのではないかと思っていましたが、意外にも大半の企業が予想を発表したと感じます。発表の仕方にも企業毎に特徴がありました。だいたい3パターンに分けられるかと。
まず、関税による影響額をストレートに開示した会社。ホンダやコマツはこの口です。前期比で大きな減益予想になりましたが、ある意味最悪シナリオを示したと言えるでしょう。2つ目は、関税の影響を織り込まず(とは言え、社内での試算額を公表したり、影響自体が限定的と公表したうえで)業績予想を開示した会社。ニデック、日立建機、タケダなど。3つ目は、TDKやオムロンのように業績予想を上限値と下限値で示すレンジ方式です。皆さんの会社は、どんな形で開示をされましか?
つい最近、東証と経産省が共同でSX銘柄なるものを選定していると知りました。その前にあまたある○Xのおさらいをしておきましょう。
AX = アプリケーショントランスフォーメーション
BX = ビジネストランスフォーメーション
CX = カスタマーエクスペリエンス
DX = デジタルトランスフォーメーション
EX = エンプロイーエクスペリエンス
GX = グリーントランスフォーメーション
HX = ヒューマントランスフォーメーション
MX = マネジメントトランスフォーメーション
UX = ユーザーエクスペリエンス
VX = バーチャルトランスフォーメーション
WX = ワークトランスフォーメーション 等々
あげだすときりがないことわかりました。せっかくだからEXとGXの間にFX=フォーリンイクスチェンジ(外国為替)を入れてE、F、Gと繋ごう(笑)。IXもDXの姉妹語として入れてしまおう。JXは、何かないかな、さすがに無いか…
おっと本日のテーマからどんどん離れてしまった(汗)。話を戻してSXですが、もうお分かりですね。サステナビリティトランスフォーメーションです。SX銘柄2025レポート(全体レポートはこちらからsx2025report.pdf)によれば、SXを企業が持続的に成長原資を生み出し、企業価値を高めるべく、投資家等との間の建設的な対話を通じて資本効率性を意識した経営・事業変革を実行すること、と述べています。それゆえSX銘柄とは、それを実現している企業ということになります。
対象は、東証に上場する全企業。選定方法は、PBR1倍以上を必須条件として価値協創ガイダンス2.0に基づいた選択式項目と記述式項目による価値創造ストーリーについて審査がなされます。今回2回目の選考ですが応募企業は70社で、プライム上場企業のみであったそう。応募企業を時価総額で分けると、4兆円以上が40.0%、1~4兆円が30.9%、05~1兆円が16.9% と一般的に大型株と呼ばれる企業の申込が9割弱を占めています。申し遅れましたが選定企業は次の13社です。いずれも(いい意味で)ひとくせふたくせありそうな企業ばかり。
① アシックス
② 味の素
③ KDDI
④ ソフトバンク
⑤ 第一三共
⑥ ダイキン
⑦ TDK
⑧ ニチレイ
⑨ パーソルホールディングス
⑩ ブリジストン
⑪ 明治ホールディングス
⑫ 良品計画
⑬ レゾナック・ホールディングス
「じゃあ、わが社には関係ないね」と早々に見切らないでください。レポート内容を読んでいくと上場市場や企業規模に関係なく参考になる・興味深い(と思われる)情報が記載されています。価値観・長期戦略、実行戦略、KPI、ガバナンス、実質的な対話・エンゲージメントの5つの切り口において応募企業の特長と課題が整理されています(レポートP12 ~16)。IRに最も関係してくる対話・エンゲージメントでは、ほぼすべての応募企業で経営層と投資家の個別対話(取材)が実施されているのですが、社外取締役が投資家と個別に対話(取材)している企業は、SX選定銘柄でも6割程度です。また、多くの応募企業では設定されたKPIや進捗状況について投資家へ示している企業はごく一部のようです。この辺りは、上場市場や企業規模を問わず、これからのIR活動の参考になるのではないでしょうか。
また、SX銘柄選定企業の中から上述5つの切り口において、各2個ずつ(つまり全体では10個)の好事例を具体的なプレゼン資料と対比しながら解説しています(P17~28)。こちらも自社のプレゼン資料を作成される際に参考にされてはと思います。不明点などあればいつでもディア・マスターズへお問い合わせください。それでは、また次回!