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2020年7月

  • 147号/藤井棋聖誕生す(20日)
  • 146号/生活に満足してます?(14日)
  • 145号/日本企業の有望株主?(6日)

2020720日/147号 藤井棋聖誕生す

東京の梅雨明けは平年7月20日ごろだそうですが、今年は遅れそうです。とは言え昨日、久しぶりに晴れたので、一気に明けてしまうのでしょうか。ここ数年来ベランダでゴーヤを育てており、メルマガへも時々書いています。メルマガ100号(2019年7月17日付)では『~ゴーヤの育ちがとてもスローです。日照時間のせいかな?』。メルマガ57号(2018年8月8日付)は『ゴーヤが順調に育っており、一部収穫期入り』。今年のゴーヤは、どうやら当たり年のようです。実利として既に5個収穫して胃袋に収めました。成長スピードは予想以上に早くて、グリーンカーテンとしての役割も果たしつつあります。初めてポールとポールの間をあけたのですが、見事ブリッジして手をつないでくれました。妻によるとこれらは品種を<ほろにがくん>へ変えたことが効いているそうな。

藤井七段が渡辺三冠から棋聖タイトルを奪取しました。プロ棋士になったのが中学生の時で、加藤一二三九段、谷川浩司九段、羽生善治九段、渡辺二冠に次ぎ史上5人目。4人の名前を見ただけでどれほどすごいことかわかります。それに違わず、デビュー直後から公式戦29連勝して連勝記録を30年ぶりに更新。それが20176月。そして今回、史上最年少17歳でのタイトル獲得となりました。これも30年ぶりだそう。

 

私自身は将棋を指すわけでなく、ましてトッププロの棋譜を追いかけて好手・悪手を楽しむ趣味を持つわけではありません。最近の言葉で言えば「観(み)る将」と呼ばれる類だと思います。が、藤井棋聖にはなぜだか関心を持ってしまいます。同じ愛知県出身だからかしら(笑)。

 

冗談はさておき、対戦相手の(藤井棋聖に対する)評価の高さから惹きつけられているのかもしれません。まずは、棋聖戦での相手、渡辺二冠のブログより。『番勝負をやると、手付き、仕草、息遣いなどで相手が形勢をどう判断しているか、なんとなく分かるようになりますが、自信ありという感じで△86桂を指されて、そこでこっちも手が止まったので、この将棋は負けたなと覚悟しました。第3局のように持ち時間を残すという点では途中まではプラン通りでしたが、▲85(54)▲95(22)▲68金左(12)と時間を使った割には形勢が良くならずにそこへ冒頭の図の△46歩が来て、終盤は△86桂が読めていないところで完全に競り負けました。

 

第1局は▲13角成から一気にスピードアップで「えっ、それで寄ってるの」とか思ってる間に負け、第2局は△31銀で手がありません、と。そして今回は中盤でピタッと追走されて△86桂で抜き去られる。と、負け方がどれも想像を超えてるので、もうなんなんだろうね、という感じです。

 

今後に向けてという点ではこの指し方を真似するのは無理なので、自分の長所を生かして対抗できる策を見つけるしかないと思いますが、(それが上手くいったのが第3局)勝ちパターンがそれしかないのでは厳しいので、次の機会までに考えます。』(下線は筆者)現役最強と言われる渡辺二冠にここまで言わしめる圧倒的な強さが感じられます。

 

次いで藤井棋聖のプロデビュー戦の相手、加藤一二三九段。『藤井七段は「秀才型の天才」である可能性が高いと思っている。天才には「秀才型」と「対応型」がある。秀才型の天才というのは、継続的な研究ができるタイプだ。努力を続けることも才能なので、努力によってもともとの資質を伸ばしていくタイプである。羽生九段もここに含まれると思うので、タイプとして藤井七段は羽生九段に近い。』デビュー戦で戦い敗れたたひふみんですが、以下の全文をお読みいただくと稀代の勝負師らしい冷静な評価から藤井棋聖の人物像が浮かんできます。

 

https://fujinkoron.jp/articles/-/2201 

 

そして最後は、永瀬王座。藤井棋聖がプロデビューした2017年からの稽古相手だそうです(稽古相手といっても王座と叡王を保有する27歳現役バリバリの2冠王です)。『人間には必ずクセ・経験則があります。自分が指してきた手を体が覚えている。人同士のレベルではそれで通用するとしても、藤井さんはそれで『よし』としない。AIも活用して、自分のクセをなくすか、よりよいものに昇華していくか。経験則のさらに上を目指している。現状に満足しない。そこが大きいんだと思います』(718日付日経電子版より)永瀬王座は『藤井さんの強さは『努力の結晶』だと思っています。才能ももちろん大きいですが、細かいところの微調整を苦にせず、根気強く、手間を惜しまない』ということもあげておられますが、私に刺さったのは先の言葉です。

 

17歳だからこそこんな境地に達しているのかもしれませんが、実際に探求を惜しまず努力を重ねる姿が目に浮かびます。オジサンいい刺激をもらいました(笑)。近い将来には、負けることがニュースになるような大棋士になって欲しいものです。それではまた来週!

2020713日/146号 生活に満足してます?

7月6日付けメルマガ145号(日本企業の有望株主?)へメッセージをいただきました。ありがとうございます。

 

『お世話になっております。いつもメルマガを楽しみにしております。板倉さんのIRに対する見解等は大変参考になります。先日、約5か月ぶりに〇〇で個人向けのイベントを✕✕主催で開催しました。コロナウイス感染者が増えている中、当初予想より参加率は低いですが100名近く参加されました。年配の方が多いのでオンラインでは臨場感が湧かないので対面セミナーは望ましいという声はありました。

 

一方で個人向けのIRについて、我々証券会社も見直す時期に来ていると感じています。いまだに証券会社の支店で開催を望む企業もいらっしゃいますが、支店に平日昼間足を運んでくれる方はかなり年配(金融資産は一定保有していますが)で、これから金融資産を形成してくれる年齢層は少ないと思います。年配の方は残念ながら寝ている方も多いような気がします(笑)。

かつ今までのような通りに面した1階店舗も減っていく方向であり、賃料を抑えるためセミナーホールもなくす方向になっています。支店開催IRは企業にとってコストはかからないという点はメリット、とある企業の方は仰っていましたが… 色々とIRについて考えるなかで、板倉様のコメントは気づきの点も多くこれからも楽しみにしています。引き続きよろしくお願いいたします。』

 

私もIR現役時代(?)には、個人向け活動のひとつとして証券会社の主催する会社説明会へ参加したり、IRフェアでブース出展したりしました。最大規模の説明会では、300数十名が聴講くださいました。一方、首都圏外の証券会社支店では、10数名を前に行ったこともあります。

人数の多寡に関係なく、うまくいったと思える説明会は、年配の方(以下、シニア世代)を眠らせず(笑)最後の質疑応答まで引っ張りきることができた場合ですね。そのためには話が平易であること申し上げるまでもなく、加えてシニア世代にとっての鉄板ネタを織り込むのが効果的だと経験から悟りました。間違いなく目をキラキラさせて最後まで聴いてくれます。その3大ネタは…

 

第1位:お金(株価)、2位:健康、3位:家族・友人。当たり前と言われればそれまでですが、この3つをプレゼンの中へどう落とし込み、話できるかが特にシニア世代に対して明暗の分かれ道になると心得てから随分と楽になりました。具体的にご関心ある方はどうぞお知らせくださいませ。

 

先週、野村総研社会情報システムが行ったアンケートをたまたま見たのですが、鉄板ネタへの関心の強さを裏付けるような結果が出ていて、思わずニンマリ。それが昨年8月に「変わるシニア世代の就業意識・行動/65歳が就業多様化の転換点」というタイトルで以下にて公表されたものです。

 

https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/cc/mediaforum/2019/forum280.pdf?la=ja-JP&hash=B1CF524837080A0EFDB240339E441D0A225A89A2

 

55歳から79歳までの2000名を対象にしたアンケート結果ですが、私の年齢(この9月で59歳です)もこのレンジの中へ入っており、あぁ自分もシニア世代だったんだ、とあらためて認識。でもかえって自分事として、比較することができました。皆さんはどうでしょうか?

 

アンケート結果を見ていくと色んな意味でターニングポイントになる年齢というのは65歳からのようです。例えば男性であれば、6064歳時の就業率8割が。6569歳には5割へ激減します。女性は同じ年齢層になった時、スポーツクラブへ通うのが週0.2回から0.6回と3倍増になります。健康意識が高まっているのですね。男性は、スポーツクラブへ行く回数でなく、飲食店、つまり飲み屋へ行く回数が週1.1回から0.6回へほぼ半減しています(P3P8)。

 

驚いたと同時に安心したのが、生活の満足度は男女とも年齢が高まるにつれて上昇していること(P33)。満足度は男性よりも女性の方が高いですが、年齢とともにその差はなくなっていきます。生活の満足度を分野別に見ているのがP34の結果。この結果はとても興味深いです。経済状況、家族関係、趣味・娯楽・教養などの満足度は、まさに年齢が上がるにつれて高まっているのですが、唯一の例外があります。何だと思いますか?

 

就業状況です。高齢になるほど満足していないということは、つまり就業機会があればよいのに、それが提供されていないという意味で不満ということなのでしょう(P34)。このあたりのギャップを企業側には解消してもらいたいものです。

 

最後になりますが、このアンケートで気をつけないといけないのは、結果はあくまで現シニア世代に対するものであり、例えばミレニアム世代が60歳代・70歳代になった時、同じ結果を示すなどということは、きっとあり得ないですよね。どう変わっていくか、わからない相手に今から気をもむよりは、自分自身を常に変えていけるような柔軟性を持ち続けたいと思った次第です。それではまた来週!

202076日/145号 日本企業の有望株主?

6月29日付けメルマガ144号(特別定額給付金の使いみち)へメッセージをいただきました。ありがとうございます。メルマガに書いたからではないでしょうが、我が家へもようやく特別定額給付金が届きました(喜)。

 

『椅子の話!共感出来ました。ただ、私は中古品しか買ったことがありませんが…。まぁ消毒すれば良いかくらいの感じです。新品で合うのがあれば良いですね。給付金は、豊島区は既に、新宿区友人も既に、という話は聞いてますよ。』

 

『(前略)特別定額給付金は、品川区の私のもとにはまだ届きませんが、向かいの席の川崎市の人は「今日届いた」と言っていましたよ()。オフィスチェアは、ご自宅でお仕事をなさる板倉さんにとって非常に重要なツールですね。仕事の椅子ほど、身体に長く接している家具はありませんものね。ベッドより長いでしょう。残念ながら。(後略)』

 

73日、東証から2019年度の株主分布状況調査結果が公表されました。例年だと遅くとも6月中頃には公表されていたと思いますが、これも新型コロナの影響でしょうか?

 

2019年度株式分布状況調査の調査結果について

https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/examination/nlsgeu000004tjzy-att/j-bunpu2019.pdf

 

結論から言えば20193月末、日本企業の株主構成に劇的な変化が生じているわけではありません。が、主要部門を見ていくと長期傾向や足元の動向が見えてきます。

 

<外国人>

保有比率は、20183月末の29.1%から29.6%へ微増。リーマンショックのあった2008年度(20093月末)は前年比3.9% 減の23.5%まで落ち込んでいます。それと比較すれば今回のコロナ禍における減少は極めて限定的であり、そもそも同じ土俵で比べるものではないのかもしれません。ここ数年来、30%前後で落ち着いています。保有比率の変動が大きかったセクターを見てみます。前年比で増加したセクターのトップ3は、1位:医薬品+3.7%2位:そのほか製品+2.6%3位:精密機器+2.2%、逆に減少したセクターは、1位:水産・農林業▲4.3%2位:ゴム製品▲3.4%2位:鉱業▲3.4%でした。皆さんの会社の外国人株主の増減率は、属するセクターのそれと比べてどうですか?ぜひ、確認することをお薦めします。

<個人>

保有比率は17.2%から16.5%へ減少。個人の売買動向は、アベノミクスの始まった2012年から毎年一貫して売り越しです。2019年度は1.8兆円の売り越しでした。2012年度以降の累積売り越し額は、どれほどだと思いますか?何と、30兆円にもなります。ちなみに外国人は同期間の累積売買金額は5兆円ほどの買い越しです。そんな中でも前年比保有比率を伸ばしたセクターは、1位:水産・農林業+5.3%2位:石油・石炭製品+3.4%3位:陸運業+1.8%です。保有比率が減少したのは、1位:情報・通信業▲2.9%2位:その他製品▲2.1%3位:サービス業▲2.0%です。

 

<信託銀行>

金融機関(証券会社含まず)という大きな括りで見ると、前年比保有比率は29.6%から29.5%0.1%減少しています。その中のブレイクダウンの一つである信託銀行は21.5%から21.7%0.2%増加しています。2012年以降からの累積売買金額は、約6兆円の買い越しです。前年比保有比率を伸ばしたセクターは、1位:保険業+2.9%2位:その他製品+1.7%3位:石油・石炭製品+1.3%です。保有比率が減少したのは、1位:鉄鋼▲2.5%2位:空運業▲1.6%3位:水産・農林業▲1.3%です。

 

売買動向は、外国人は3年連続で売り越し。個人はアベノミクス開始以前から売り越しが続き、信託銀行はここ7年間買い越しといったところです。足元の売買においても特徴が出ていますね。水産・農林業セクターは、個人において保有比率の増加が最も高かった(5.3%)セクターです。一方、外国人と信託銀行にとっては、それぞれ▲4.3%、▲1.3%と保有減少比率の大きなセクターでした。個人が、いわゆる機関投資家に対して逆張り的な売買をしていることが見て取れます。

 

4日付日経朝刊に興味深い記事がありました。日銀が実質保有する日本企業の株式比率は5.7%(前年比+1%)で、あと2兆円弱を買えばGPIFを抜いて日本最大の株主になるとのこと。前日、面談する機会をえた大手IR支援会社の社長は、まさにこの現象を嘆いておられました。意見を求められた私もまったくの同感です。パッシブ運用を否定するつもりは毛頭ありませんが、IRに携わる者としては、アクティブ運用の隆盛あってこそのパッシブ運用であって欲しいもの。そのためにも少なくともクライアント企業には、自社のチャームポイントを存分に発揮してファンドマネージャーやアナリストの心をつかみ「ぜひ投資したい!」と思ってもらえるよう最大限の支援を惜しまない、との思いを新たにしました。それではまた来週!

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