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2021年6月

  • 186号/個人向け説明会のこと(25日)
  • 185号/最近のショック(18日)
  • 184号/雨降って地固まる(11日)

2021625日/186号 個人向け説明会のこと

区役所からワクチン接種券が届きました。先行する墨田区などと比べると遅いなぁ~となりますが、大田区では6月末ごろに届くと聞いていたので、それより1週間も早く届き嬉しいサプライズ。ご近所クリニックは予約が取れませんでしたが、区内集団接種会場ですんなり2回分の予約を入れることができました。7月末までに終了予定です。ラッキー!皆さんのワクチン接種状況はいかがでしょう?

 

メルマガ185号(618日付、最近のショック)へメッセージをいただきました。ありがとうございます。

 

『板倉様、お世話になっております。いつもメルマガはどのような話題を取り上げられるか楽しみにしております。ライブ配信を交えた新しい形の株主総会が本格化してきた感がありますね。今年は議決権行使もスマホで対応がイメージとして7割くらいになって、はがきで返信は減少していたと思いました。数社はスマホで行使するとQUOカードが当たるというおまけもありました。一方、コロナでお土産はほぼなくなりそうですが。

 

事業会社でIRをご担当され、今はコンサルティングをされている板倉様に個人向け説明会についてご意見を伺いたくメールを送っております。コロナ禍でオンライン説明会は徐々に浸透してきたと思います。リアル開催に比べて年齢層は下がっていると思います。ただし、30代以下の若年層の視聴者数は全く伸びていないと思います。金融資産を持っているのは60代以上とはいえ、若年層の開拓は必要と思っていますが、実際事業会社の方々は現在どのように考えているのでしょうか。

 

今、実施しているオンライン説明会の多くは30~40分程度の説明と5~10分の質疑応答で、リアルで行っている時とスタイルは変わっていないと思います。スマホ、SNSがスタンダードな時代における新しい形の説明会を探っており、色々な方にご意見を伺っております。(後略)』

 

 

たまたまですが、頂戴したメッセージに対して関係のあるレポートを読んでいました。資産運用の開始年とそれからの投資期間におけるリターンを表したものです。

 

https://www.okasan.co.jp/marketinfo/data/pdf/grc_report/20210526.pdf

 

私自身をトラウママップへ当てはめてみると、フィリピン駐在から帰任(2000年)して落ち着いた頃(2002年)から資産運用を始め今日に至っています。マップによれば投資期間は19年で、同期間の利回りは3.9%(複利年率換算)になります。3.9%をアウトパフォームしているのか、それともアンダーパフォームなのかは、ヒ・ミ・ツ(笑)として、このマップ、とっても興味深いデータだと思いませんか?長期投資のメリットは言わずもがなでよくわかりますが、各世代の株式投資に対するザックリとしたイメージを把握できると思います。皆さんもご自身に当てはめてみて下さい。

 

メッセージにあった「30代以下の若年層の視聴者数は全く伸びていない」をトラウママップに照らしてみます。2013年から2020年かけて運用開始していると想定される現在20代の方は、ほぼ損失なしで522%の利回りを得ていると思われます。現在30代後半の方が、大学卒業と同時(2005年前後)に資産運用を開始したとすれば、リーマンショックの影響を受けはしたものの、継続投資さえできていれば4 %強の利回りです。乱暴な言い方をすれば2030代の方々は、儲かっているので説明会を聴講するニーズがそもそも低いのではないでしょうか?

 

また、私のようなオジサン世代とは違い金融リテラシーに長けていることも関係していると思います。バブル景気は知らずとも失われた20年(あるいは、30年)で育った世代ゆえ、そうならざるをえなかったのかもしれませんが。加えて、スマホから指先マジックで投資も簡単にできる環境が整っていたことも効いているでしょう。これらは、個別銘柄をピックアップして投資するより、インデックスファンドへお手軽に投資する方へ向かわせているのでは、と思えてしまう。

 

証券会社には2030代をひきつけるような従来とは異なるコンセプトの説明会をぜひ考えて欲しいです。例えば今までは、参加費無料・大人数が基本だったと思います。これを有料・少人数、でも(少人数を活かして)プレゼンターと対話ができるような説明会があれば、リアルであれバーチャルであれ、私だったら興味をそそられてしまうけどなぁ~一方向・大人数から双方向・少人数へ、なんだかバイサイドとの取材みたいですが(笑)。

 

個人株主・投資家をIR活動のメインターゲットにしている事業会社にとって若い世代を獲得することは重要な課題のはず。忌憚のないご意見・メッセージをいただければ幸いです。それでは、また来週!

2021618日/185号 ショックだったこと

今週月曜日(14日)、関東地方もようやく梅雨入りしました。おかげで区民農園へ行く回数が減りそうです。今まで週2回のペースだったのですが、どうなることやら。水やり、除草(雑草ってホントにタフ)、防虫剤スプレー、剪定(妻のあまりに思いきりのよい切り方に絶句)などをメインに作業してきました。特に、慈しんできたのが枝豆。種まきして発芽したのが、たった一株ということもあって、これをダメにしてなるものかと大切にしてきました。そのかいあって写真のようにスクスクと育ち、花が咲くところまでに。

最近、専門家が各家庭の菜園を見て、個別に無料助言してくれるという日がありました。利用しない手はありません。妻とルーティン作業をしながら回ってくるのを待っていました。我が家の菜園を訪れ、ナスやトウモロコシから見てもらいます。「よく育っていますね」とお褒めの言葉もいただきながら、最後に枝豆を見て一言。「どうして雑草を残しているんですか?」と言われちゃった?!枝豆と思って育てていたことを話すと、「ハハハッ、ハハハッ、ハハハッ」とフォローすることもなく去りにけり(笑)。雰囲気違うよな~と思うことはあったものの、見るたびに成長していたので、もう少し・もう少しとそのままにしていたのでした。時には、プロの眼で外から見てもらうことって必要ね。

 

梅雨入りと言えば、株主総会がいよいよ本番を迎える時期。皆さんの会社の開催日はいつでしょうか?日経新聞によれば今年の開催日ピークは、629日(火)で全体の27%の企業が開催するそう。ピークの開催比率は201729.6%で、あまり変わっていないように感じますが、1983年の集計開始以降で最低とのこと。会社側は株主が出席しやすいようにピーク日開催を避けたり、また昨年からのコロナ禍も影響しているのでしょう。

 

私の手元へも何社かの招集通知が届いています。全ての招集通知に共通しているのは何だと思いますか?

 

はい、そのとおり。来場自粛のお願いです。「新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から当日のご来場はお控えいただき、インターネット又は書面により事前の議決権行使をお願い申し上げます」あなたの会社の招集通知にも書かれているのでは?天邪鬼な私は、そう言われるとむくむくと行きたくなってしまうタイプです。が今回は、少し大人になって(笑)別視点で総会をチョイスしました。さて、それは何でしょう?

 

株主提案が出されている総会?惜しい!実際、迷いました。迷った挙句に選んだのはライブ配信による総会への出席です。コロナ禍もあって昨年から話題になっています。でも「出席」と言いながら、現会社法では株主総会への「出席」として認められないのですよね。だから株主として認められている質問、議決権行使、動議をライブ配信より行うことはできずということになります(言うまでもなく事前に質問を送ったり、議決権行使すればいいだけのことです)。たまたまだとは思いますが、招集通知を受け取った会社の約7割がライブ配信を採り入れていることには驚きました。

 

迷わないよう選択基準は極めてシンプルに、開催日が一番早いものとしました。結果、昨日(17日)に開催の日本航空第72期株主総会のライブ配信へ参加しました。初体験でしたが、予想していた以上にリアル総会と変わらないなぁとの印象です。が、途中で通信状況が突然悪くなり、画面がフリーズしてしまいました。ちょうどESG戦略を議長(=CEO)が説明されるところで、会社としていちばん注力すると言われたCO2削減のところだったのでショック。ブラウザ更新を押すと復活したのですが、わずか1分程度の間に画面・音声は次へ進んでいたのでした…これってまさにライブ配信のリスクですね。

 

この後、事前に受け取った代表的な質問ということで、3問(①株主優待、②国際ネットワーク戦略、③役員ダイバーシティ)について各管掌役員が回答。ここまでの所要時間は、開始から40分弱。いよいよ会場来場者からの質問へうつるのかしら、と思った矢先に議長から「ここからご来場株主さまのご質問をお受けしますが、プライバシー保護の観点からライブ配信はここまでとさせていただきます」とライブ配信は終了となったのでした。イイ感じでここまで参加していたのでショック。招集通知に同封の案内チラシには「事業報告及び会社からのプレゼンテーションをインターネットでライブ配信いたします」とあるだけなので、大いなるモヤモヤ感を残しつつも、そういうことなのねと納得せざるをえませんでした。ちなみに他社総会のライブ配信案内には「午前10時(=開始)から株主総会終了時まで」と明記している会社もあり、そちらへも参加して対比してみるつもりです。それでは、また来週!

2021611日/184 号 雨降って地固まる

皆さんの会社の多くは、決算発表後に説明会を開催されていると思います。今日は、私が聴講した最近の説明会での出来事です。まずは、説明会後に私が会社へ送信したメールから。

 

株式会社○○○

IRご担当者さま

 

決算説明会へのご対応お疲れ様でした。私はディア・マスターズ株式会社の代表取締役を務める板倉正幸と申します。

 

失礼とは存じますが、御社対応の不誠実さに一言申し上げます。説明会終了直後、当日のプレゼン資料を一方的に回収されたことです。司会進行役(=主催者)の方から回収します、と言われたのみ。御社からのお詫びの言葉、回収理由、プレゼン資料はあらためて入手できるのか等々、一切の説明はありませんでした。私を含めて聴講者の多くはプレゼン資料へ書き込みをしていたはずです。そういったことへの配慮もまったくなく、御社自身のことだけを考えた暴挙です。今まで多くの説明会を聴講してきましたが、こんなひどい対応は初めてのことです。

 

プレゼン途中で事務局の方が司会進行役のもとへ行って耳元で話をしていました。振り返れば、それが回収を求める内容だったのでしょう。御社側も気づいていなかった不備がプレゼン資料にあったと推測します。そもそも不備がわかっていたならば、プレゼン開始と同時に一言、司会進行役、あるいはプレゼンターから(プレゼン資料は)終了後に回収されていただきます、とのお知らせがあったはず。

 

プレゼンテーションは、内容から資料まで完成度が高く引き込まれてしまいました。聴講者に向け株価に対する率直な悩み、それに対する打ち手まで発せられました。誠実な会社に違いないと感じ入った先、こんなでは口先だけの会社と思わざるをえません…立派な資料や統合報告書でご高説をとなえるより、ひとつの行いだと思うのです。

 

長々と申し上げてきたことお許しください。ただ正直、これ以上御社のことで失望したくはないのです。私は、今回の件に対する御社の対応こそが、御社の実像だと考えます。どうか以下の点について御社からの真摯な回答を希望します。

(1)今回の件に関する御社の見解

(2)プレゼン資料をどうするつもりか

よろしくお願いいたします。

 

説明会での出来事はメールからお分かりいただけると思います。メールを会社側へ送信したのは、説明会の翌日です。当日はあまりに頭に血が上り過ぎて感情的になっていたので、あえて翌日にしました。会社側から早々に返信がありました。

 

 

お世話になっております。株式会社○○○取締役の✕✕(=説明会プレゼンターの方)です。板倉様をはじめ、○日の説明会にご参加いただいた皆様に大変失礼な対応をとったことをまずはお詫び申し上げます。メールをいただいた件につきまして私からご回答させていただきます。

 

まず、回収に至った経緯をご説明します。今回、事務局様には、マスコミ関係者(記者の方)はご遠慮いただくようお願いしておりました。当初お配りした資料の内容は、既に当社が公表したもの、または公知の内容ですが、一部クライアントとの関係上デリケートな内容を含んでおりました。万が一記事化された場合、その影響が判断しきれなかったため、ご出席者を限定した上で、やや突っ込んだ話をさせていただきました。ところが、私の説明の最中に記者の方が参加されていることが判明し、事務局様と協議の上で回収させていただいたというのが顛末です。私がこれを把握したのが説明会終了後となり、皆様に何の説明を行うこともできませんでした。

 

当社の反省点は以下のとおりです。

・どなたが参加された場合でも大丈夫な資料の内容とするべきであった。

・回収を実施する前に、説明者(この場合は私)に事情を説明し、皆様には私からお詫びと説

明をするべきであった。また、回収が始まった時点で、私が担当者に事情を確認するべきであった。

 

今回のプレゼン資料につきましては、一部箇所を修正した上で、説明会参加者にお送りさせていただきます。今現在資料の修正を行なっておりますので、申し訳ございませんが少々お時間をください。今回は私どもの不手際で、板倉様にとって不愉快な事態となってしまい、重ねてお詫び申し上げます。また、今回お叱りのメールをいただけたことにお礼申し上げます。今後ともご指導の程、よろしくお願いいたします。

 

説明会プレゼンターの方から誠意を持った回答をいただきました。迅速、かつ丁寧な対応(プレゼン資料も同日に受領)に当方がお伝えしたかった気持ちを理解くださったと感じています。今後も引き続きウォッチし、応援していきたい会社であることに違いはありません。私にとってはまさに、雨降って地固まるという一件になりました。それでは、また来週!

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